◇頭打ち 他業種に活路
阪急阪神百貨店を傘下に置くエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが、中堅スーパーのイズミヤを株式交換により完全子会社化すると発表した。両社は、関西で百貨店からスーパーまで多様な業種をそろえた総合小売サービス業グループを目指す。H2Oの2014年3月期の売上高は5700億円、イズミヤの14年2月期の売上高は3500億円となる見通しで、単純に合わせると、H2Oの売上高は1兆円に迫る。小売業界で8位に相当する売上高で、関西圏の流通業界では新たな「核」になる規模だ。【古屋敷尚子】
「我々にない価格帯や商品構成をカバーでき、まさに相乗効果が見込める相手だ」。1月31日の記者会見で、H2Oの椙岡俊一会長兼最高経営責任者(CEO)は、イズミヤとの経営統合のメリットを力説した。東証1部上場のイズミヤは5月28日に上場廃止となる予定。経営統合後、両社はポイントカードを共通化するほか、食品分野では商品開発を共同で進め、総菜工場や原料調達も統合して合理化を図る。高齢化に対応して宅配サービスも強化する。
11年以降、JR大阪駅周辺はJR大阪三越伊勢丹の新規出店や大丸梅田店の大幅増床が相次ぎ、「大阪百貨店戦争」と評されてきた。この中で、H2Oの"稼ぎ頭"である阪急百貨店梅田本店は、売上高で圧倒的なトップを走る。だが、パイが限られる中、競争は激しく、13年度目標売上高(2130億円)を2度下方修正している。こうした状況の中、H2Oは成熟感のある百貨店にとどまらず、外食チェーンなど他業種の買収を進め、グループ全体で売上高拡大を目指す方針を進めてきた。
一方のイズミヤは、イオンとセブン&アイ・ホールディングスの"2強時代"と言われる流通業界の中で、単独で生き残る戦略を探ってきた。だが、少子高齢化や他業種のコンビニ、ドラッグストア進出もあり、競争は激化する一方だ。存在感を維持しながら生き残るため、H2Oの子会社になる道を選んだとみられる。
阪急阪神百貨店を傘下に置くエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが、中堅スーパーのイズミヤを株式交換により完全子会社化すると発表した。両社は、関西で百貨店からスーパーまで多様な業種をそろえた総合小売サービス業グループを目指す。H2Oの2014年3月期の売上高は5700億円、イズミヤの14年2月期の売上高は3500億円となる見通しで、単純に合わせると、H2Oの売上高は1兆円に迫る。小売業界で8位に相当する売上高で、関西圏の流通業界では新たな「核」になる規模だ。【古屋敷尚子】
「我々にない価格帯や商品構成をカバーでき、まさに相乗効果が見込める相手だ」。1月31日の記者会見で、H2Oの椙岡俊一会長兼最高経営責任者(CEO)は、イズミヤとの経営統合のメリットを力説した。東証1部上場のイズミヤは5月28日に上場廃止となる予定。経営統合後、両社はポイントカードを共通化するほか、食品分野では商品開発を共同で進め、総菜工場や原料調達も統合して合理化を図る。高齢化に対応して宅配サービスも強化する。
11年以降、JR大阪駅周辺はJR大阪三越伊勢丹の新規出店や大丸梅田店の大幅増床が相次ぎ、「大阪百貨店戦争」と評されてきた。この中で、H2Oの"稼ぎ頭"である阪急百貨店梅田本店は、売上高で圧倒的なトップを走る。だが、パイが限られる中、競争は激しく、13年度目標売上高(2130億円)を2度下方修正している。こうした状況の中、H2Oは成熟感のある百貨店にとどまらず、外食チェーンなど他業種の買収を進め、グループ全体で売上高拡大を目指す方針を進めてきた。
一方のイズミヤは、イオンとセブン&アイ・ホールディングスの"2強時代"と言われる流通業界の中で、単独で生き残る戦略を探ってきた。だが、少子高齢化や他業種のコンビニ、ドラッグストア進出もあり、競争は激化する一方だ。存在感を維持しながら生き残るため、H2Oの子会社になる道を選んだとみられる。
0 件のコメント:
コメントを投稿