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みずほのトップ人事を分けた 金融庁からの「鶴の一声」

2014年2月10日月曜日

 みずほ銀行の唐突な頭取交代の裏側には、いったい何があったのか──。

 2013年9月以降、暴力団融資が社会問題化し、猛烈な批判に晒されたみずほグループ。合併前の「旧行意識」がまたぞろ顔をのぞかせる、みずほ特有の構造的な問題を前に、持ち株会社の佐藤康博社長は再生への道筋について、自問自答を繰り返していた。

 問題発生から3カ月近く、行員たちの顔が常に脳裏をよぎり、眠れぬ日々を過ごす中で、不退転の「覚悟」として編み出したのが、持ち株会社の委員会設置会社への移行であり、自ら兼務する傘下銀行の頭取交代だった。

 では、次期頭取は誰にすべきなのか。その答えはすぐに出たわけではない。本命候補とされた副頭取たちが軒並み、暴力団融資問題で処分を受けてしまったためだ。

「(次期頭取は)興銀ではないですよね」

 関係者によると金融庁側から、「鶴の一声」が聞こえてきたのは昨年末のことだ。追加行政処分の方向性が見え、新たな業務改善計画について、水面下で最終調整を続ける中でのことだった。

 佐藤社長は、旧日本興業銀行の出身。2代続けて旧興銀がトップになることは、避けるべきと伝えたようにも見える。しかし、むしろ監督当局として発したのは、商業銀行として、個人向け業務にもしっかりと力点を置いた事業展開を進めてほしい、というメッセージだったようだ。

 トップ人事に対するお上の「指示」とはいえないものの、みずほにとっては、ここまで世間を騒がせた以上、当局の「思い」を無視するわけにはいかない。

 持ち株会社の副社長と傘下銀行の副頭取を兼務し、佐藤社長の後継候補と目されていた昭和55年入行組の中で、旧興銀と、今回の問題の中心だった旧第一勧業をはずすと、残るは旧富士のみ。その中で無傷なのは、林信秀副頭取だけだった。

背水の陣で臨む役員人事

 林氏の頭取就任は、金融庁の意向を忖度した上でのトップ人事だったとはいえ、林氏と同じ55年入行組中心の経営体制には、ひずみが生じることになる。当面、同期の一部を役員として残しておく必要があるからだ。

 三菱UFJや三井住友など他のメガバンクは、副社長・副頭取に昭和50年代前半入行組を据えており、みずほだけ、林氏以外の55年組をいっせいに退任させるようなことは、営業面などで不利に働くリスクがあり、今はとてもできる状況ではない。

 2月にも発表する新たな役員人事で同期の誰を役員として残し、誰をはずすのか。

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