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転職したら「給料そんなに払えない」と言われた! でも前の会社には戻れず…―弁護士に言っちゃうぞ(7)

2014年2月7日金曜日


「こんなセコイ会社だとは思いませんでしたよ!」


そういって嘆くのは、会社員のDさん(男性・34歳)。新卒でA証券に入って働いていたが、競合のB社がもっと高い給料で中途入社を募集していたので、試しに応募してみた。すると、すんなり内定通知が出てしまった。


採用面接では具体的な仕事や待遇の詳しい説明はなかったが、「募集内容と同じだろう」と思い、A社に退職届を出した。するとB社の人事部長に呼ばれ、なんと「あなたの職務内容を見直すことにした。給与も大幅にダウンせざる得ない」と言われてしまった。


Dさんは「話が違う」と憤慨したが、いまさらA社には戻ることはできない。このままでは、わざわざ給料の少ない会社に転職することになってしまうが、こんなだまし討ちみたいなことが許されるのか。


職場の法律問題に詳しい、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いてみた。


■求人広告は「個別の労働契約の内容」ではない


――職務内容や給与が、入社直前に変更されたら困ってしまいますね。しかも、そもそもの労働条件も、会社からあらかじめ明示されていなかったようです。


労働基準法15条では、会社は労働契約の締結の際に、労働者に対して賃金、労働時間その他一定の労働条件を明示しなければならないとしています。


本来であれば会社は、採用内定通知の時点または可能な限りそれに近い時期に、給与等の労働条件を定め労働者に通知しなければなりません。今回の場合は、会社がこれらの義務を怠っているのは明らかですね。


Dさんの場合、「会社の求人広告に職務内容や給与が書かれていた」とのことですが、求人広告は、使用者が労働条件を示して労働者の労働契約の申込を誘引するものであり、個別的な労働契約の内容には原則としてならないと考えられています。


採用面接や説明会などで使用者が労働条件を説明しても、労働契約が締結された場合に、初めてその労働条件が労働契約の内容となります。したがって、求人広告記載の職務内容や給与が、直ちにDさんの労働条件となるわけではありません。


今回の場合、採用面接の席でも、給与等の待遇について人事部長から特に詳しい説明を受けなかったとのことなので、職務内容や給与について、会社と合意が成立しているとは言えないでしょう。


■会社に「慰謝料の支払い」を命じた判決もある


ただし、労働契約法4条1項において「使用者は、労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするもの」と定められていることに注意が必要です。

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