日本の重電業界幹部たちが、思わずそう口にするビッグニュースが、世界中を駆け巡った。米重電大手のゼネラル・エレクトリック(GE)が、仏重電大手アルストムのエネルギー事業買収に向け交渉中だと報じられたのだ。
そのことが知れ渡ると、GEの競合である独重電大手シーメンスはすぐさま対抗策を提案。ブルームバーグによれば、自社の鉄道事業に現金支払いを加えたものと、アルストムのエネルギー事業を交換する提案をしたという。
エネルギー事業ではGEとシーメンスは世界2強で、アルストムも五指に入る実力の持ち主。鉄道事業でも、シーメンスとアルストムは世界の"ビッグ3"と呼ばれる。今回火が付いた業界再編の構図は、対象となる企業も事業も世界トップ級なら、業界までまたぐという桁違いの争奪戦なのだ。
本稿執筆の5月7日時点で、アルストムはGEとの本格交渉中だ。火力発電システム、再生可能エネルギー、送配電の3事業を総額169億ドル(約1.7兆円)で買収するというGEの提案を、5月末までに精査して結論を出す。
ただ、まだGE以外にも交渉のチャンスは残されており、シーメンスなどが巻き返しを図って買収提案の応酬が続く可能性もある。
"世紀の事業統合"が霞む米国と欧州の間で繰り広げられるアルストム争奪戦で、蚊帳の外なのが日本の重電メーカーだ。
しかし、決着時の影響は甚大。その余波を大きく受けるのが、三菱重工業と日立製作所が火力発電システム事業を統合してできた、三菱日立パワーシステムズだ。
現在1.2兆円の売上高を「2020年までに2兆円に拡大し、GEとシーメンスを追い越す」(西澤隆人・三菱日立パワーシステムズ社長)と意気込んでいたが、アルストムの火力発電システム事業は約1.2兆円。世界2強のどちらに転んでも、その背中は遠くかすむ。"世紀の事業統合"と呼ばれて誕生した合弁会社だったが、世界ではその規模と同等の事業がのみ込まれつつあるのだ。
また、GEと火力発電システムを共同開発し、提携関係にある東芝にも影響が及ぶ可能性がある。2社は13年1月に提携を強化し、従来は日本・アジア地域に限っていた販売協力体制を、グローバル市場に広げていた。
「東芝の技術力は素晴らしい」(GE関係者)というお墨付きはあるものの、GEのジェフ・イメルトCEOはアルストムと「技術や地理的に高い補完関係にある」と語っている。…
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