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【ソニー】平井一夫社長の“失われた2年間”と復活への厳しい道のり

2014年5月30日金曜日

■社長就任時掲げた目標を事実上撤回!
「2013年度は大きな赤字を計上した。また2014年度も、エレクトロニクス事業の回復遅れにより、中期目標には遠く及ばす、最終損失になる見込みである。エレクトロニクス事業のターンアラウンドは達成できず、忸怩たる思いである。特に、2期続けて最終赤字になることは大変重く受け止めている。期待に応えられなかったことには申し訳なく思っている」
5月22日に行ったソニーの経営方針説明会は、平井一夫社長の陳謝から始まった。この言葉が示すとおり、ソニーは今、危機的状況にある。しかも、その経営は混迷を極めている。
ソニーは13年度に業績見通しの下方修正を3度繰り返し、挙げ句の果てに最終損益は黒字予想から一転して1283億円の赤字に転落した。14年度の最終損益も500億円を予想する。これによって、平井社長が12年のトップ就任時に掲げた「14年度の売上高8兆5000億円、売上高営業利益率5%以上」という目標を事実上撤回することとなった。
文字通り、平井社長の2年間は"失われた2年間"と言っていいだろう。就任1年目に最終黒字を計上したが、これは5期連続の赤字を避けるため、米国本社ビルや旧ソニーシティ大崎など、次々と資産売却を繰り返した結果だった。平井社長はパナソニックのように、危機感を持って大胆な構造改革を行ってこなかったわけだ。
■環境変化への対応力とスピード力が不足していた
「我々の環境変化への対応力とスピード力が不足していた。変化への打ち手が遅れたと言わざるを得ない」と自ら反省の弁を述べ、こう強調する。
「2014年度は3年計画の最終年に当たるが、次の2015年度からの3カ年を成長フェーズと位置づけ、持続的に収益を上げられる企業へ変貌するため、今年度は構造改革をやりきる年と位置づけ、徹底した変革に取り組む。度重なる下方修正や赤字を継続する体質を変える」
そのために、赤字の元凶であるエレクトロニクス事業で販売会社の固定費を15年度までに13年度比で約20%削減する。特に10期連続の赤字を計上し、累積損失7900億円のテレビ事業については、分社化により固定費削減を徹底し、今年度中に黒字化する計画だ。また、本社間接部門の費用も約30%削減する。
そして、エレクトロニクスのコア事業(ゲーム&ネットワークサービス、モバイル、イメージング関連)の収益貢献、エンタテイメントや金融の安定的な収益貢献などと併せ、「15年度に営業利益4000億円(今期予想は1400億円)を目指す」とした。

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